平成文学の流れ ~多様化していく文学~
日本文学のグローバル化 昭和末から平成初期にかけて、バブル経済が崩壊したことで、日本は長期にわたる不況と社会不安の時代を迎えます。 出版界にも不況の波が到来し、小説の売り上げも低下しました。 そうした状況の中でベストセラ...
昭和文学の流れ②
~戦後以降の文学~
戦後の言論統制からの復活 太平洋戦争ののち、言論の自由が復活して雑誌の創刊や復活が活発化していきます。 それらの雑誌に、戦時中は作品を発表できなかった既成作家たちが創作活動を再開し、戦後の文学の流れが生み出されていきました。 ...
昭和文学の流れ①
~プロレタリア文学の台頭と崩壊~
プロレタリア文学の隆盛 労働者の意識向上や権利闘争のため、ひいては社会改革のための文学であったプロレタリア文学が、昭和初期の文壇を席巻しました。 当時の虐げられた労働者たちの実情や闘争を描くプロレタリア文学は、労働者や農民、知...
大正文学の流れ①
~耽美派、白樺派、新現実主義など~
大正文学をリードした漱石・鷗外 1912年、明治天皇が崩御し、乃木希典のぎまれすけが殉死するという出来事が起こり、時代と人との関係、近代人の在り方を題材としてきた夏目漱石なつめそうせきや森鷗外もりおうがいは衝撃を受けます。 鴎...
明治文学の流れ①
~戯作文学から擬古典主義、浪漫主義へ~
明治初期の小説 戯作文学 明治維新の時代、西欧文明が日本に流入し、様々な形で社会の近代化が推進されていきます。 しかしながら、社会制度や行政といったハード面での西欧化が先行して行われ、美術や文学といったソフト面での変革に...
近世文学を学ぶ③
~人形浄瑠璃、歌舞伎、国学など~
人形浄瑠璃 ~竹本義太夫と近松門左衛門~ 室町時代、牛若丸うしわかまると浄瑠璃姫じょうるりひめとの恋愛を描いた『浄瑠璃御前物語じょうるりごぜんものがたり』が作られます。 琵琶や扇拍子を使った演出は「浄瑠璃節じょうるりぶし」と呼...
近世文学を学ぶ②
~仮名草子から人情本まで~
仮名草子 ~イソップ物語や中国小説の影響~ 中世の御伽草子おとぎぞうしに連なって、啓蒙や娯楽を目的とした、庶民向けの仮名小説である仮名草子かなぞうしが、江戸初期のおよそ80年間に京都を中心に作られました。 代表的な作品には、富...
近世文学を学ぶ①
~俳諧の成立、川柳や狂歌の流行~
近世文学の時代背景 江戸幕府が成立した1603年(慶長8年)から、大政奉還が行われた1867年(慶応3年)までの時代を、文学史の区分で「近世きんせい」と呼びます。 幕藩体制の確立によって社会秩序が確立された一方、海外文化との接...
中世文学を学ぶ③
~御伽草子、『方丈記』、『宇治拾遺物語』能や狂言~
御伽草子 ~一寸法師、浦島太郎など~ 室町時代以降、御伽草子おとぎぞうしが物語文学の主流ジャンルになっていきます。 その多くは簡潔な文体で書かれたシンプルな物語で、奈良絵本ならえほんと呼ばれる絵巻や挿絵入りの本で流通しました。...
中世文学を学ぶ②
~五山文学、四鏡、『平家物語』~
五山文学の成立 中世に入ると、宋や元で学んだ僧や渡来僧など、禅僧が漢詩文の担い手となっていきます。 背景には、鎌倉幕府や室町幕府が禅宗を保護したことがありました。 京都五山や鎌倉五山と呼ばれる禅宗寺院を中心として、僧侶た...